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老後に暮らしたい平屋の間取り | シニア夫婦におすすめの坪数や家づくりのポイントについて解説

まだまだ現役世代ではありますが、60歳はシニア世代の仲間入りです。
これからの長い老後に向けて、快適な住まいについて考える良いタイミングではないでしょうか。
老後の生活について考え始めた方に、いま老後の住まいで注目されている平屋の間取りの家づくりについて解説します。
こちらの記事では、「間取り事例」「老後の家に必要な広さ」「平屋のメリットや快適な家をつくるポイント」をご紹介していきましょう。
老後も快適な暮らしになる平屋の間取り事例
老後の暮らしが豊かになる30坪ほどの間取り事例をご紹介します。
さまざまなシーンに対応できる平屋
夫婦でそれぞれの個室を持てる間取りで、個室は子どもや孫が帰省した際には、来客用の部屋としても使えます。
ダイニングはキッチン横に設置し、配膳も片づけも楽なのはうれしいポイントです。
回遊してどの部屋にも行きやすい平屋
リビングからワークスペース、寝室、トイレ、お風呂まで回遊できる動線設計にし、どの部屋にもアクセスしやすく快適な間取りです。
また、ランドリールームを設け、近くに大きなウォークインクローゼットを配置。
毎日の洗濯もあちこち移動せずに楽になります。
プライバシーが充実した平屋
夫婦それぞれに個室があり、お互いのプライバシーを守ることができます。
プライバシーも充実させ、つかず離れずのほど良い距離が保てる間取りです。
リビングには勾配天井を採用し、明るく開放感のある空間になりました。
老後に夫婦二人で住む平屋の坪数の目安
老後に夫婦二人の家族が住むのにちょうど良い広さはどれぐらいでしょうか。
快適に暮らせる広さや部屋数について見ていきましょう。
国土交通省の「居住面積水準」によると、2人の家族が暮らすのに必要な最低面積はおよそ9坪(30㎡)です。
多様なライフスタイルに対応でき、豊かな暮らしをするためには、都市部以外の郊外地域では22.7坪(75㎡)必要とされています。
参照:国土交通省の住生活基本計画における「水準」について
実際にシニア世代には20坪から25坪の住まいが多く選ばれており、余裕のある暮らしには30坪ほど必要です。
15坪:ミニマルな生活が実現
二人暮らしで生活するのに、LDKを充実させた快適な住まいにするためには15坪は確保したいところです。
15坪の平屋であれば、1LDKや2LDKに対応でき、コンパクトな暮らしが実現します。
お掃除も楽で、光熱費も抑えた暮らしができるでしょう。
また、一人暮らしであれば、十分に余裕のある暮らしができます。
20坪:さまざまなライフスタイルに対応可能
20坪〜25坪ほどあれば、夫婦の個室や趣味のスペースも確保できます。
2LDK〜3LDKに適しており、プライベートの時間を充実させ、来客にも対応可能です。
収納もしっかりつくって、おしゃれな平屋になるでしょう。
30坪:趣味や来客など豊かな暮らしが実現
30坪の平屋であれば、プライベート、趣味、来客、収納も充実させることができます。
若い夫婦などでは、30坪台の平屋が選ばれることが多く、3LDK以上でゆったりと余裕のある暮らしが実現します。
老後に平屋の間取りを選ぶメリット
2階建て住宅が長く親しまれる中で、老後に平屋の間取りが選ばれている理由について見ていきましょう。
ワンフロアで生活しやすい
平屋では、ワンフロアで動線をコンパクトにまとめて、生活しやすい間取りづくりができます。
掃除や洗濯などの家事でも、多く移動することなく、楽に済ませることができます。
廊下のスペースをなくして、各部屋にも行き来しやすくすると、足腰が弱っても安心です。
ケガのリスクが減る
平屋では、上下の階段移動がなくなり、階段での転倒などのリスクがなくなります。
また、バリアフリー設計にもしやすいため、段差が少なくつまづいて転倒するリスクも減らせます。
ほど良い距離で過ごせる
夫婦で仕事をリタイアして、ずっと同じ部屋で過ごすと会話もなくなってしまいます。
とはいえ、お互いが家のどこにいるのかも分からないというのも不安でしょう。
平屋の住まいであれば、お互いのプライバシーを守りながら、お互いを近くに感じコミュニケーションもしっかり取れる住まいです。
ランニングコストが抑えられる
平屋の家では、家を建ててからの修繕費や光熱費を抑えられます。
2階建ての家と比べて同じ延べ床面積であれば、平屋の家は外壁や屋根の面積が広く、建築コストが高くなります。
一方で、平屋は外壁や屋根をメンテナンスする場合でも、足場を組む必要がなく修繕費用を抑えることが可能です。
さらに平屋の家であると、エアコンなどの使用箇所が減り、光熱費も抑えられます。
光熱費を抑えて、冷暖房効率を上げ省エネな暮らしにするためには、家を建てるときに断熱性や気密性といった住宅性能を重視しましょう。
老後に平屋の間取りの家をつくるポイント
老後に快適な平屋の間取りの家にするためには、「住みやすい間取り」「周囲の環境」「将来的な生活」について押さえておかなければなりません。
住みやすい間取りにする
老後にも住みやすい間取りにするためには、家の中の移動距離をできるだけ短くしてコンパクトな動線づくりをしましょう。
ランドリールームを設けて洗濯のための移動を減らしたり、廊下を減らして回遊できる間取りにして各部屋への移動を減らすのもおすすめです。
部屋を分けるのに可動式の間仕切りを使うと、来客時には部屋を分けて対応できます。
また、平屋はデッドスペースが少ないため収納計画をしっかり立てておくのが重要です。
収納場所をまとめると、ストックの管理もしやすく、また整理しやすく部屋をすっきり整えられます。
収納をまとめるのには、パントリー、ファミリークローゼット、シューズクローゼットなどを活用してみてください。
周囲の環境に配慮する
平屋は外からの視線や、周囲の建物の影響を受けやすい住まいです。
高齢者の住宅は空き巣にも狙われやすく、防犯性を高めるため道路に面した側には大きな窓をつけないようにしましょう。
また、高い建物に囲まれて通気性が悪く、採光しにくい場合もあります。
通気性や採光といった室内の環境を重視しないと、室内が暗く湿気やカビに悩まされることも。
敷地面積が許すのであれば、建物をコの字にして、中庭を設けるなどの工夫で明るく開放的な住まいになるでしょう。
将来的な生活に備える
老後に平屋の家を建てるのであれば、将来的な介護の生活も念頭に置いておくと、いざという時に慌ててリフォームする必要もありません。
「移動のしやすさ」「介助のしやすさ」「安全性」を意識してバリアフリー設計をしましょう。
・移動のしやすさ:車椅子の生活に備えて、段差を減らし、また玄関や玄関ポーチにスロープを設けてください。
またガレージまでも行きやすく、雨などにも濡れずに行けると、デイサービスなどを利用する場合にも安全です。
・介助のしやすさ:介助者も使いやすく、車椅子も通りやすいように通路や開口部を広げておきましょう。
扉には開閉しやすい引き戸や引き違い戸がおすすめです。
トイレや風呂も一人であれば、広いスペースは必要ありませんが、介護に備えて広めのスペースを確保しておくと良いでしょう。
さらに介護の生活までいかなくても、高齢になると長時間立っているのがつらくなるもの。
キッチンや洗面に椅子を置いたり、玄関で靴の脱ぎ履きのためのベンチをおけるスペースをつくるのも大切です。
・安全性:高齢者が立ったり座ったりする際には、適切な場所に手すりがあると安心です。
また、お風呂や洗面所、玄関などには、転倒しないよう滑りにくい床材を選びましょう。
さらにキッチンや洗面所は、椅子に座っても作業しやすい高さの物を選び、お風呂もまたぎやすい高さの浴槽を選んでください。
高齢者でも安全な生活のためには、高さについても慎重に検討する必要があります。
まとめ
こちらの記事では、老後に選ばれている平屋の間取りについて解説してきました。
老後の平屋には、20坪から25坪の広さが好まれ、30坪あると余裕のある暮らしが実現します。
「生活しやすい」「ケガのリスクが減る」「夫婦の良い距離が保てる」「ランニングコストを抑えられる」といったメリットがあります。
老後に平屋を建てるなら、間取りづくりや周囲の環境、将来的な生活を重視しましょう。
木の花ホームでは、長年の建築経験や豊富な技術をもとに、快適な家づくりをご提案しています。
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