市街化調整区域の土地を買える人は?家の建築や住宅ローンについても解説

郊外の分譲地では物足りなさを感じる方にとって、広い土地を安く確保できる市街化調整区域が注目されています。

ただし、市街化調整区域は、都市の無秩序な拡大を防ぐため制限の厳しい区域です。

土地の安さだけでなく、事前に情報収集し、長期的な生活設計を考慮しなければなりません。

この記事では、市街化調整区域の土地の特徴や買える人について解説します。

住宅ローンの注意点についても参考にしてください。

この記事でわかること
  • 市街化調整区域の土地を購入できる人をご紹介します。
  • 市街化調整区域で家を建てるための条件を解説します。
  • 市街化調整区域での住宅ローンの注意点を解説します。
目次

市街化調整区域とはどんな場所?

市街化調整区域は、自然が多く土地が安いため、都市部の通勤圏内に広くゆったりとした家を建てられる可能性があります。

ただし、家や商業施設が建てられ開発が進む市街化区域とは違い、市街化調整区域は、住宅の建築が原則として認められていないエリアです。

学校や病院など、生活インフラが整っていないことも少なくありません。

また、家を建てるためには、さまざまな許可が必要となり、一般の人が土地を買ってもすぐに建てられるとは限りません。

さらに、10年〜20年単位で自治体の都市計画が見直され、市街化区域に変更される可能性もゼロではありませんが、保証されるものではありません。

将来、子どもに相続したとしても、買い手が少なく、売却が難しい土地となる可能性があります。

そのため、市街化調整区域の土地の特徴をよく理解したうえで、土地の購入を検討してください。

市街化調整区域の土地を買える人

市街化調整区域で家を建てるには、「開発許可」や「建築許可」が必要となり、一定の条件を満たす必要があります。

ここでは、市街化調整区域の土地を買い、家を建てられる人について参考にしてください。

地元に住む農家の子ども

地域に長く暮らしている地元住民の子どもは、市街化調整区域の土地に家を建てられるケースがあります。

例えば、地元農家や地主などの子どもが親の敷地に家を建てる場合、「分家住宅」として認められます。

自治体ごとに細かい基準が異なりますが、通常その地域に10年以上住んでいることが目安です。

また、農業後継者や地域貢献者など地域に定住し、将来的にも住み続ける見込みのある人が対象です。

旧来の宅地を引き継ぐ人

築20年以上の中古住宅など、昔から宅地として使われていた土地を購入した人は、家を建てたり、建て替えたりできる可能性があります。

市街化調整区域にある中古住宅を買うことで、その土地の再建築できる権利を引き継げる可能性があるからです。

新たに開発許可を取得しなくても、再建築の許可が得られる場合もあります。

特定の条例や都市計画法の要件に該当する人

都市計画法第34条の特例では、昔からある既存集落の中で地域の調和を壊さない範囲で、家の建築が認められることがあります。

加えて、学校や病院など公共施設に関係する職員住宅や、農業従事者の住宅も要件に該当します。

また、それぞれの自治体の開発許可によって、都市に近い場所では特定の条件付きで、一般の人でも家が建てられるかもしれません。

市街化調整区域のメリット・デメリットについては、こちらをご覧ください。

「買える人」が「建てられる人」ではない!

市街化調整区域の土地は、一般の人でも購入できますが、実際に家を建てて暮らせる人は限られています。

そのため、土地を買えても必ずしも家を建てられるとは限らず、細心の注意が必要です。

土地購入の前には、必ず自治体の都市計画課や建築指導課に事前相談を行い、必要な確認をしておきましょう。

また、地元に強いハウスメーカーのサポートも十分活用してください。

土地の用途目的

市街化調整区域は、原則として家の新築が制限されています。

土地の用途目的が細かく区分されており、内容によって家が建築できるかどうかが変わります。

自治体の事前相談で確認するべきポイントは以下の通りです。

【用途地域の指定】:登記簿や都市計画図を確認し、その土地が市街化調整区域に該当するかを調べる。

【線引き前宅地かどうか】:おおむね1970年ごろから宅地として存在していた土地かを確認する。

【用途制限】:工場、農業用倉庫、住宅など建てられる建物の種類に制限があるため、土地の用途制限を確認する。

建築許可の条件

市街化調整区域でも、例外的に家の建築が認められるケースは、自治体ごとに細かい条件が異なります。

都市計画法第34条に関連した建築許可の対象条件には以下のようなものがあります。

分家住宅要件:地元の農家の子どもなどが親の敷地や近くに家を建てる場合

線引き前宅地:都市計画区域指定前から宅地だった土地を購入した場合

特例区域の指定:自治体によって特定区域内なら新築が認められているエリアに家を建てる場合

公共施設との距離:学校や病院などに近く、一定の条件を満たしている場合

ハウスメーカーのサポート

市街化調整区域の土地の購入や家の建築を進めるには、土地をよく知るハウスメーカーを選ぶことが重要です。

ハウスメーカーに相談すれば、次のようなサポートが期待できます。

開発許可の事前調査:役所に問い合わせ、家を建てられる土地かを調査

申請手続き代行:建築許可・開発許可の申請業務をサポートまたは代行

条例・条件の確認:自治体の建築基準や制限に基づき、設計内容のアドバイス

実績に基づく提案:以前に同じエリアで建築実績がある場合には、経験からの提案やアドバイス

市街化調整区域での住宅ローンの注意点

市街化調整区域の土地は、自治体の建築条件だけでなく、住宅ローンの審査も厳しいことには注意が必要です。

ここでは住宅ローンの「融資対象」「建築許可」「よくあるトラブル」について解説します。

融資対象であるか

金融機関によっては、市街化調整区域の土地そのものを住宅ローンの対象外としているケースもあります。

売っても買い手がつきにくく、建築許可が下りないと担保価値がなくなるなど、金融機関にとってはリスクが高いからです。

住宅ローンを組みたい場合には、地元の信用金庫や地方銀行のほか、JA(農協)など地域密着型の金融機関を検討しましょう。

建築許可が下りるか

一般的に住宅ローンは土地と建物をセットで融資するため、金融機関は「建てられる土地」にしか融資対象にしません。

建物が建てられない土地には担保価値がつかず、住宅ローンが通りにくいでしょう。

そのため、市街化調整区域で住宅ローンを組むには建築許可が下りていることが前提条件です。

建築許可が下りなければ家が建てられず、建築許可の状況次第で、住宅ローンの対象になるかどうかが決まります。

よくあるトラブル例

市街化調整区域での住宅ローンのトラブル例をご紹介します。

ケース1「許可が下りる前に土地だけ購入した」:家を建築できる保証がなく、担保価値が低いためローンが通らなかった。

ケース2「金融機関に断られた」:市街化調整区域の土地が融資の対象外であった。

ケース3「自治体の許可が難航した」:自治体の許可取得が難航し、時間がかかり、ローンの契約が流れた。

ケース4「建築プランが固まらないまま申請した」:建築プランが固まっておらず、金融機関の融資審査が進まなかった。

市街化調整区域の住宅ローンを申請するには、建築許可のほか、建築プランや見積もりを準備して建築確認申請が必要です。

市街化調整区域の土地は事前リサーチが必須!

今回のコラムでは、市街化調整区域の土地の特徴や買える人について解説しました。

市街化調整区域は、土地を購入し家を建てられる人が限定されています。

まずは家を建てることができる土地かどうかを自治体に確認することが大切です。

住宅ローンにおいても、市街化調整区域ならではのトラブルもあり、ハウスメーカーや金融機関に相談することをおすすめします。

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